『PenduluM』
《インタラクティブアート》
■駅から始まるアートイベント『キテミテ中之島2022』出品作品のコンセプト■
6つの振り子を振るとシンセサイザーのオーケストラを奏でることができる。
振り子を振ると1往復に一回ごとに先端の円錐部分の色が変化した時点でシンセサウンドが発音される。
6つの振り子は長さが違うため各々の音が重なると違う周期の発音となるので4分音符といった音価はないにもかかわらず、
不思議に小節があるかのようなサウンドに聞こえるのが音楽的に特異な特徴がある。
通常の楽器では発音のタイミングはリアルタイムとなるが、この作品では鑑賞者はゆったりとした落ち着いたぁ感覚で、
振り子を通じて見るように音楽の演奏体験ができる。
この作品は1995年に制作したPendulum Musicを現代版としてリニューアルしたものであある。
■駅から始まるアートイベント「キテミテ中之島2022」への想い■
「アートとは何か?」という問いは古代のギリシャ時代からの永遠のテーマであるが、
さまざまな批判に耐えながら個々のアーティストが繰り広げる人間的な格闘にこそ貴い価値があると考えている。
表現を通して個人的な自己に真剣に純粋に向き合う行為は、一見は内向きなパーソナルな孤立した人間活動でしかないように見えていて、
世界や他者と切り離された人間などこの世に存在しないのであるから、実はそれが純粋であるからこそ外向きに反転して
世界や他者につながるコミュニケーションの回路ができ、人の心を豊かにする真の力となるのである。
アーティストとしての長い活動を通して自覚できた私の思いをシンプルな言葉に集約すると、「人々を芸術と創造で笑顔にする」となるだろう。
■Profile■
1955 静岡県生まれ
1978 京都大学理学部(物理学第二教室 )卒業
現在 大阪芸術大学を拠点とした制作活動・パフォーマンス表現・ワークショップを展開
作家URL:http://commseed.com/
HyperKeyboardシリーズ(1989~)Interaction Paintingシリーズ(1993~)
N-E-W-Sシリーズ(2003~)DEN-WAシリーズ(2005~)など作品多数。
1992年コム博・インタラクティブアートギャラリー、1994年IMAGES DU FUTURE
1996年サイエンス・アート展、2004年VISION in Pragueなどに参加。
1994年「インタラクティブアート宣言」、2003年「芸術情報論」、童話作品などの著作。